書き物を徒然と…。
君だけが知る、白露の月。。。
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久しぶりに動画を見ていたら、
とても素敵な動画を発見してしまいました。
某PCゲームの動画だったのですが、
私が好きな曲で制作されていらして、
しかもそれが動画の世界観にとても合うのです…!!
切ない表情とか、見せ方とか、素敵過ぎる…!
そんな動画に触発され、なにやら書いてしまいました…。
登場人物視点で書いたのは、これが初めてです。
うーん…これが世に言う二次創作??
…よくわかりません!
あえてどのゲームとは言いませんが、もしかしたら、わかる方がいらっしゃるやも…?
ちなみに、内容がちょっとグロいです。
しかもプレイしてから大分時間が経っているので、記憶曖昧…。
もしかしたらちょっと違うかもなのですが、そこは開き直ります。
かなり文才がありません。
それでもOK、と言う方のみ、お進みくださいませ。
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もう何年も前のことになるが、
両親、そしてナイフを俺に教えてくれた師が死んだ。
俺の記憶があいまいなだけで、きっと両親は俺のことを愛してくれていたと思う。
けれどいつのころからか、愛情に満ちた温もりを忘れ、愛されることを…忘れた。
その後、俺を引き取った祖父が俺を育てた。
…教育というよりは、調教の日々。
自分の息子を許せない祖父は、俺に「服従」を強いた。
抵抗をしたこともあったが、それがさらに祖父の不興を買い、繰り返される仕打ち。
次第に抵抗を忘れ、恐怖を覚えた。
体に染み付くほどに馴染んでしまった祖父への「服従」。
そしてまるで、殺戮人形のように戦闘員(ソルダート)として殺しに没頭する。
愛されることを忘れてしまっていても、それでも求めてやまないものが、あった。
…「温もり」。
愛情なんてなくていいから、ずっと触れていたいなんて思わないから、
せめてひと時でいいから、「温もり」が欲しかった。
「温もり」を人間に求めた時もあった。
…両親がいたら、きっと違っていた。
祖父以外の屋敷にいる人間は仕事以上の接点を持とうとはしない。
俺は…次第に人間に興味を失っていった。
…ただ一人、幼いころに出会った金髪の少年を除いて。
唯一、俺からのキャンディをもらってくれた、人。
なにからも束縛されない奔放さで、かごいっぱいのキャンディをもらってくれた人。
その人のことだけは、ずっと覚えていようと思った。
人間に興味を無くし始めたころ、関心を持ったのは死体だった。
殺しに携わる以上、日常的に築き上げられるものたち。
生の抜け殻に躊躇いなく触れてみると、仄かな「温もり」が宿っていた。
あぁ、この温かさは。
…求めていたものは、ここにあった。
愛情なんてなくていい、ずっと触れていたいなんて思わない、ひと時だけでいいから…―。
愛情を代償に、満たされなかった心を急速に駆け巡る温かさ。
宝物を見つけた子供のように歓喜に震え、貪欲に「温もり」を求めた。
…皮膚の上からだけでは、すぐに足りなくなる。
きっとその内側はもっともっと温かいに違いない。
とりつかれた様に皮を、剥いでみた。
よりリアルな温かさが伝わって…。
あぁ、温かい…なんて温かいんだろう…。
この温もりは俺を裏切らない。何も求めない。
殺しの後のこの行為を、快感と興奮をもたらす麻薬のように、俺は求めた。
そして、あの人に出会った。
いつしか俺の支えになっていたあの人。
…名前を呼んでくれるだけで、満たされる。
あの人の名前を呼ぶ時だけ、特別。
…このままずっと、俺を必要としていてくれるなら、俺はあなたのために闘える。
けれど。
…あの夜…。
あなたに見られてしまった。
恍惚として「温もり」に快感を覚えていた、その瞬間を。
俺を映す瞳の中に、俺の名を呼んだその声に、戸惑いと嫌悪を、感じ取ってしまった。
…いやだ!!
あなたにだけは、俺のことを否定してほしくない!
お願い、行かないで、 。
あなたに見限られてしまったら、俺には何も残らない。
お願いだから、俺を恐れないで。
―あの人は否定的でない感情で俺に接してくれた。
もしかしたらあともう少しで、何か…、
ずっと求めていたものが得られるかもしれなかったのに。
…………あぁ、この瞬間に、俺はあなたさえも、失ってしまった。
そう思った瞬間、もう駄目だった。
衝動的に「温もり」を求めてしまった。
愛情を代償に、俺が唯一、得られるもの。
今までの中で、一番特別な人の…―。
あなたはどれだけの興奮と満足を、俺に与えてくれるのだろう?
ナイフを突き付けなければ、あなたは「温もり」をくれはしないだろう。
温かさだけは、俺を裏切らないでいてくれる。
あなたの心は望まないから、せめて熱を、俺に与えて。
愛情も永遠も望まないから。
―恐怖と苦痛で呼ばれる俺の名前など、欲しくない。
でも、あなたのことは、殺せないから、今までとは違う、やり方で。
ごめんなさい。行かないで、 。
行かないで、…いかないで…。
心の中が冷えていくのをとどめるように、俺は必至で、あの人の「温もり」を求めた…。
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